2014年4月27日日曜日

ひとりと重力

ゼロ・グラビティ
主人公一人、登場人物二人、死体役と声出演入れても十人と満たない人の少なさで描く宇宙。エイリアンのコピー“宇宙ではあなたの悲鳴は聞こえない”をさらに昇華させたような作品かなとも思ったが、いやあの人をアップで添えての世界の回転はマイケル・スノウを感じさせる。世界を大きくまわし、揺さぶった時の変形は世界を素粒子に分解してかつ、再構成を試みるかのような化学的映像は光を通してそんな世界の軟弱さを魅せているのだ。
dammit!って言いながら引っ張られてストーン博士が、小さいカプセルの中にまるで母親の胎内のように丸くなって回っていくのが、ああ幸せだなと感じた。赤ちゃんは宇宙から来るのかもしれない。一人漂いながらガンジス川の日の出を見たい。隕石のように炎をあげながら地球の表面を突っ切って墜ちてきたものはまた宙を見て帰りたいと思う。一人と宇宙の競演は孤独という充実を教えてくれる。そしてまた生きて行こうと思う。




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