2012年1月7日土曜日

パウロ・コエーリョ決意三部作

私が勝手につけた名前で『ピエドラ川のほとりで私は泣いた』(1994年)『ベロニカは死ぬことにした』(1998年)『悪魔とプリン嬢』(2000年)は人は一週間で生き方を変える事ができるという趣旨の3作品のことだ。物語に一貫性はなく自分もばらばらに読んだ。

パウロ氏の小説は読んだら止められないくらいのジャンキー性がある。基本的に話が早くて、驚かされるし楽しい。キリスト教、ギリシャ神話、黒魔術、白魔術、ニューエイジャー、旅、正に怪しいテーマが揃いに揃って、下北系ヴィレヴァン系?の人にとってバイブルと思う。
その、思想的源流から物語をくみ取り本にしてしまうという事が今までになかった事が信じられない。パウロ文学以外に読むべき、取り入れるべきストーリーなんて無いよって言いきってしまいそう。一番好きな『ベロニカは死ぬことにした』は精神病院での出来事だ。余談だが『ノルウェイの森』の直子が入院する病院の描写は神級でしょう?何が凄いって其処に人々が望む全てが入ってる気がするんだ。北の森、霧、草げん、静かな日々、狂っている人にとって普通の人が狂っている。人がそれぞれ皆違うのに、自分の中の狂っているものを認めるのが怖くて他人を真似ようとするそれが狂ってる。
どんな経典だって言っていることはただ一つ。
生きる事。生きる事とは信じる事。
プリン嬢には異邦人の到来が、ベロニカには自殺が、ピラールには幼馴染との再会が生きる事への決意のキッカケになった。
誰もがそれを得られるのか分からない。書かれてない。それが自分に起こる事を3部作は書いているから。

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